鳥取沖の実習船衝突 原因は「張り不備と飲酒」 運輸安全委員会が調査報告書(産経新聞)

 鳥取県境港市沖で平成20年10月、境漁港を出た島根県の巻き網漁船「第二十二事代丸」(222トン)と、同港に向かっていた島根県立隠岐水産高校の実習船「わかしまね」(196トン)が衝突した事故で、運輸安全委員会は29日、漁船の船長の過度な飲酒や両方の船で見張りが適切に行われなかったことが事故につながった、とする調査報告書をまとめた。

 報告書によると、漁船の船長は出港前に酒を飲んでいた上、夜間に入港する船はいないと思い込み、レーダーや目視での見張りを怠っていた。

 また、呼気1リットル中のアルコール濃度が0・15ミリグラム以上の状態で航海当直をした場合は行政処分の対象になるが、この漁船では船内での飲酒も常態化。事故の2時間後、船長の呼気からは0・37ミリグラムのアルコールが検出された。

 一方、実習船も通常の2人体制ではなく、船長1人がブリッジでの見張りを担当していた。船長は事故当時のような夜間の入港経験がほとんどなく、着岸方法に気を取られ、間近に迫っている漁船の発見が遅れた可能性が高いという。

 この事故で、練習船は右舷に穴が開き沈没。隠岐水産高校の生徒13人と教員2人を含む25人全員が救助されたが、乗員と実習生の計2人が打撲などの軽いけがをした。漁船側にけが人はいなかった。

 運輸安全委は「過度な飲酒は視覚や注意力の低下につながる。常に適切な見張りを行うとともに、酒気帯び状態での当直の禁止を徹底する必要がある」と指摘している。

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